目の生活習慣病

正しい生活習慣が白内障や、緑内障、黄斑変性症、糖尿病、網膜症の進行を止め、改善に導く
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■全身の健康状態が目の生活習慣病を招く

白内障や緑内障、加齢黄斑変性、中心性網膜炎、糖尿病網膜症といった病気を「目の生活習慣病」と位置付けています。 生活習慣病とは、食事や睡眠をはじめとした生活全般から生じる病気の総称ですが、 誤った生活習慣は目の病気を引き起こす原因にもなります。 糖尿病や高血圧などの生活習慣病は特定の臓器に異常が現れますが、それは体質的に弱いところに異常が出現したに過ぎず、 その背景には体全体の異常があります。そうした健康状態が、目の病気として現れると、 白内障や緑内障といった症状を引き起こします。 これらの病気を治すには、生活習慣病が薬を飲むだけでは治らないのと同様に、原因となっている生活習慣を改め、 病気が治りやすい体質環境を作る必要があるのです。


●血行を良くすることで、目の病気を改善できる

目は脳と直結した器官であり、体の中でも大量の情報を処理する最も進化した器官と言われています。 それだけ全身の健康状態の影響を受けやすく、精神も含めた体の内部の状態をダイレクトに反映します。 そのため心身の健康を保つことは、体の病気だけでなく眼病も予防、改善することにつながります。 健康な状態を保つうえで、最大の指標となるのが血液循環です。目は体の中で唯一、 血管と血液の状態を直に顕微鏡で見ることができる貴重な器官でもあります。 生活習慣に問題があり、血液がドロドロとしていると、血流が悪くなり、隅々の細胞まで酸素や栄養が行き渡りません。 また毒素も排出されにくく、さまざまな病気の原因となり、視力も低下させます。 ドロドロの血液が血管に負担を掛けると動脈硬化が進んだり、もろく出血しやすくなったりします。 すると目の奥の細い血管も悪影響を受け、眼底出血を起こすこともあります。

では、血行をよくし、健康になるためには、どのような生活習慣を心がけるといいでしょうか? それには「健康度チェック」が有効です。8項目の合計点が32点以上で合格ですが、 それ未満であれば生活習慣に問題があります。 この診断で挙げている8項目は、目の健康を保つために重要な役割を担っています。 実際に、あるクリニックでは、生活習慣を改めることで多くの患者さんが眼病を改善しています。 例えば、糖尿病の合併症の一つ、糖尿病網膜症です。なかでも、効果的な治療がないといわれる糖尿病黄斑症を 患った55歳の男性は、食生活と散歩を中心とした生活習慣の改善により症状が回復しました。 黄斑は網膜の中でも視力に大きく関わっており、症状が進むと治療が困難なうえ、 視力が大幅に低下して失明に至ることもある部分です。 しかし、眼底写真を見ると、黄斑付近に漏れ出していた血液成分が、生活習慣を改善した9ヶ月の間で吸収されて、 驚くほどきれいになっていきました。


生活習慣 優:5点 良:2点 不可:0点
食事量 腹八分 腹八分より少し多い お腹いっぱい食べている
運動(1日の歩数) 13000歩以上 8000〜13000h歩 8000未満
ストレス 全く感じない 少し感じる 激しく感じている
便通(1日の排便回数) 3回以上 2回 1回またはそれ以下
症状(頭痛、肩こり、冷え性、腰痛など) ない 少しある 慢性的にある
睡眠(就寝する時間) 夜9時〜夜11時 夜11時 夜11時以降
水分の摂取(1日の摂取量) 1.5L〜2L 1L程度 1L以下
毒素反応(ノイロメーターという医療機器で調べる) なし 少し 強い


●体調より目の状態がよいことはない

健康度チェック評価はいかがでいたか?
32点以上が合格ですが、目に不快症状を持っている人であれば、合格点は取れなかったことでしょう。 この健康度チェックで最初から合格点の取れる人はほぼいません。 それほど生活習慣の乱れは目に悪影響を与えているのです。 8つの項目はどれも密接に関係していますが、まずは「運動、ストレス、便通、症状」の4つの重要性と、 チェックテストで良や優になるようなコツを解説します。

眼病を治すのに特に重要なのが、運動と食生活の見直しだと考えています。 合格点が取れなかった患者さんでもそれらを改めると、多くの人が目の症状を改善するからです。 運動といっても、激しい運動ではストレスになるばかりか老化の要因の一つである活性酸素を増やしていまいます。 ですから、勧められるのは気持ちがよいと感じる程度のスピードで『ウォーキング』をすることです。 歩数の目標を1万3000歩に設定し、毎日達成を目指して歩数を増やしましょう。 運動すると血液循環がよくなり、代謝もよくなるため体全体の状態がよくなって目の症状も改善されていきます。 さらに、運動はストレス発散に効果的であることもわかっています。 人は強いストレスを受けると体の機能を調整する自律神経の交感神経が反応して、血管を収縮させます。 それは血流を悪くさせるため、目にとって好ましくない状況ですがウォーキングなどはそういったストレスの解消にもなるのです。

【関連項目】
『ウォーキング』


●空腹時に出るホルモンが腸を動かし排便を促す

食べ過ぎの傾向にある現代人には、腹八分目の食生活が勧められます。きちんと空腹を感じることは大切なことだからです。 脳が空腹を感じると「モチリン」というホルモンが分泌されます。それに反応して「ぐぅ〜」とお腹が鳴りだし、 腸が蠕動運動を始めます。するとスムーズに排便が促されるようになります。 体にとって不要なもの(毒素)の排出がしっかりできれば、元気になり、目も健康に近づきます。
チェックテストには症状という項目がありますが、これは、不快な症状があるかないかのチェックです。 他の項目では軒並み結果が悪かったのに、肩こりや冷え性、頭痛、疲れやすいなどの自覚症状は何もないという人が 少なくありません。病気(眼病)の人の場合、何も症状がないのはおかしいなこと。 つまりよほど丈夫かよほど不健康のどちらかで、後者が疑わしいでしょう。 症状は体の悪いところを自ら治そうとする反応です。その反応ができないほど慢性化しているとも考えられます。 どちらにしても、すべての項目を「優」に近づける生活に変えてみましょう。