白内障の手術後の視力矯正・注意

白内障の手術後の視力矯正・注意について記述します。


■手術後の視力矯正

手術後は眼鏡で視力を補う

現在、一般に用いられている眼内レンズは、1つの距離にピントが合う短焦点レンズです。 従って、遠くの距離も近くの距離も見るためには視力を補うための眼鏡が必要になります。 眼内レンズのピントをどこに合わせるかは、その人のライフスタイルや職業などによって異なります。 例えば、パソコンを使うことが多い人の場合、眼内レンズのピントをやや近くの距離に合わせると、 パソコンの画面を見るのは裸眼でできます。ただし、手元の文字を呼んだり、遠くの方を見るときには眼鏡が必要です。 一方、自動車に乗ることが多い人の場合は、遠くの距離にピントを合わせると、自動車の運転や映画鑑賞などは裸眼でできます。 ただし、デスクワークや料理など、手元の作業をするときには眼鏡が必要になります。

●眼鏡を作る時機

手術後2週間〜1ヶ月ほど経つと、視力が安定してきます。眼鏡は、視力が安定するのを待って作るのが望ましいと言えます。 また、眼鏡で視力をきちんと補うためには、医師に処方してもらったうえで作ることが大切です。 併用する眼鏡の本数は、大半は1〜2本です。遠近両用の眼鏡を1本だけ作り、利用している人もいます。 手術後に、少し眩しく感じるなどの症状が現れたときには、薄い色のついたレンズを使うこともあります。


■手術後の注意

目の周りを清潔に保ち、きちんと点眼する

手術後は、傷口から細菌が入って感染症が起こるのを防ぐため、目の周りを清潔に保ち、汚れた手で目に触れないように気をつけます。 医師から許可が出るまでは、洗顔や洗髪も控えます。併せて、手術後の感染や炎症を防ぐための点眼薬も使用します。 その場合、必ず手を洗ってから点眼しましょう。また、目をこすったり、押したりしないように注意し、目に強い衝撃が及ぶような 激しいスポーツも避けてください。目に強い力が加わると、傷口が開くなどの障害が生じる恐れがあるからです。 テレビや新聞を見るのは、疲れすぎない程度であれば、手術の翌日からでも可能です。 仕事への復帰も早い時期に可能ですが、人によって差があるので、医師によく相談しましょう。


●手術後に起こりうる症状、気をつけたい合併症

◆眩しさや違和感を覚えることも

白内障の手術の直後は、眼球内の光の通りが急によくなったために、明るいところでは眩しく感じることがあります。 また、物が白っぽく見えたり、青みがかって見えたりすることもあります。 これらの症状は、多くの場合、徐々に落ち着いて、気にならないようになります。
他にも、目が充血したり、目がゴロゴロする、チクチクするといった異物感を覚えることもありますが、 手術から数日たつと、まず治まってきます。

◆気をつけたい「眼内炎」

手術後、最も気をつけたいのが、細菌感染によって起こる「眼内炎」です。 手術直後に発症しやすいのですが、しばらくしてから起こることもあります。 代表的な症状は「視力低下」です。それに加えて、「目の充血が強くなり、激しく痛む」ようになります。 手術後、急に視力が低下したら、すぐに眼科を受診してください。眼内炎と診断されたら、入院して治療を受ける必要があります。


■再び目のかすみが起こる場合もある

白内障の手術後、数ヶ月〜数年経つと、再び物がかすんで見えることがあります。 これを「後発白内障」といいます。白内障の手術では、水晶体の後嚢を残して、 それを眼内レンズの受け皿にしますが、その後嚢に濁りが出てくると、目がかすむようになります。 後発白内障は、誰にでも起こりうる手術後の合併症です。

●レーザーで治療できる

後嚢の濁りは、レーザーで取ることができます。レーザー治療は外来ででき、痛みもほとんどありません。 視力もすぐに回復します。治療によって後嚢はなくなってしまいますが、眼内レンズはすでに固定されているので、 レンズが外れる心配はありません。後発白内障は、一度治療すれば、同じ方の目に起こることはありません。 ただし、手術後の目のかすみが、他の病気によって起こっている可能性もありますので、自己判断は危険です。 眼科医の診察を受けるようにしましょう。