白内障の手術の種類『超音波乳化吸引術・水晶体嚢外摘出術』

白内障の手術で眼内レンズを挿入する手術の方法は数種類あります。 現在特に多く行われているのが『超音波乳化吸引術』です。


■超音波乳化吸引術

超音波で水晶体を取り除いて取り除く

まず、角膜を3mmほど切開して、水晶体を覆っている前嚢を丸く切除します。 水を流し入れて、後嚢と皮質を分離させます(@)。次に、細い器具を挿入し、その管の先端から超音波を発して核を砕き、 細かく削っていきます(A)。そして、水晶体の後部を包んでいる効能だけを残し、核とその周りの皮質をすべて吸引します。 その後、残した後嚢の上に、直径約6mmの眼内レンズを折りたたんだまま挿入し、眼内で広げて固定します(B)。 従来はプラスティック製など、硬いハードレンズが中心でしたが、近年では、シリコーン製やアクリル製のそふとれんずが 使われることが多くなっています。ソフトレンズは折りたたんで挿入できるため、切開部位が小さくて済み、 特に縫合しなくても自然に塞がります。

手術は、点眼や注射による局所麻酔で行われます。注射は結膜の下に行いますので、痛みはそれほど強くありません。 手術室に入ってから出てくるまでの時間は大体30分〜1時間程度で、身体的な負担が少ない手術と言えます。 なお眼内レンズは一ぢ挿入したら、基本的に摂りかえたりしません。 両方の目を同時に手術する場合は、最初に進行が早い方の目の手術を受け、その数日〜1、2週間後に、 もう片方の目の手術を受けます。



■水晶体嚢外摘出術

核をそのまま取り出す

白内障が進行し、水晶体の核が硬くなってしまうと、超音波で砕けなかったり、砕くのに手間取ったりすることがあります。 このような場合には、水晶体嚢外摘出術が行われることがあります。

局所麻酔をした後、角膜を10mmほど切開し前嚢を丸く切除します(@)。水晶体の核をそのままの形で取り出し、 周りの皮質を吸引して、後嚢だけを残します(A)。そこに眼内レンズを挿入し、固定します(B)。 この方法では、レンズを折りたたまずに挿入します。手術にかかる時間は、超音波乳化吸引術よりもやや長めです。 水晶体嚢外摘出術では、切開部位が少し大きいため、傷口を縫合する必要があります。 このときの縫合によって、角膜が歪んで乱視になることがあります。 また、超音波乳化吸引術と比べて、視力の回復に時間がかかります。



■その他

●眼内レンズにはさまざまな種類がある

眼内レンズは、主として柔らかい「アクリル素材」が使われており、耐久性は極めて高いと考えられています。 レンズの大きさは直径6mm程度ですが、後嚢に固定する「脚(ループ)」が付いているため、それを含めた全長は12〜13mmです。 メガネのレンズと同様に、眼内レンズには度数があるため、適切な度数のレンズが使われます。 近視や遠視のほか、乱視を矯正できるものもあります。眼内レンズは、次の2つのタイプに大別され、見え方が異なります。

▼単焦点レンズ
一般的に使われるレンズで、近距離、中距離、遠距離のいずれか1つの範囲にピントが合うものです。 ピントが合っていない範囲を見るときには、メガネなどで矯正する必要があります。

▼多焦点レンズ
近距離と遠距離、中距離と遠距離というように、2つの範囲にピントが合うレンズです。 日常生活でメガネをかけたくない人にとっては便利ですが、デメリットもあります。 同時に2つの範囲にピントを合わせるため、外から入る光も2つに振り分けられます。 そのため、全体がもやっとして見えることがあります。 また、レンズの光学的特性により、夜間に自動車を運転していると、 対向車のライトが三重や四重に見えるため、夜間の運転ができなくなったというケースもあります。 現在、健康保険は適用されておらず、費用は40万円ほどかかります。

●選択の際に重要なポイントとは

どのような見え方のレンズを選ぶかは、手術前の見え方と手術後の希望を十分に吟味したうえで選択します。 例えば強度の近視がある場合、手術後はメガネを使わずに遠くを見られることを望む人は少なくありません。 しかし、遠距離に焦点の合ったレンズを選択すると、手術後、今まではよく見えていた手元が見えにくくなります。 このようなことを踏まえ、手術後の見え方について医師とよく相談し、選択することが大切です。